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競馬の払戻金計算あれこれ~ぜひとも知っておきたい4つのこと

 

予想が的中した際に戻されるお金のことを払戻金といいます。

払戻金を計算するのは難しいことではありませんが、収入そのものなので払戻金にはいろいろな側面があります。

今回は払戻金の基本的な計算方法の他に、あらかじめ払戻金の額を想定して回収率を安定させる方法や払戻金と税金などについて解説します。

1.レースの払戻金総額の計算方法

まずはJRAが公表している競馬の払戻金の計算式についてご紹介します。

この式は、払戻金の総額を求めたりオッズ計算に使われたりします。

 

(計算式)

『(W+D/P)×R+A/P』

※+A/PはWIN5の払戻計算の場合のみ

 

  • W 的中馬券の売上
  • D 外れ馬券の売上
  • P 的中馬券の種類
      基本は1、複勝やワイドは2か3
  • R JRAが定めた払戻率
      単勝 / 複勝・・・80%
      枠連 / 馬連 / ワイド・・・77.5%
      馬単 / 3連複・・・75%
      3連単・・・72.5%
      WIN5・・・70%
  • A WIN5においてキャリーオーバーの額

 

難しい計算ではないですが、以下のサンプルレースで計算をしてみます。

 

(サンプルレース)

着順 馬番 単勝馬券売上
1 500万円
2 150万円
3 80万円
4 60万円
5 50万円
6 30万円
7 20万円
8 10万円
売上トータル 900万円

 

サンプルレースの場合、単勝馬券の売上総額は900万円、勝ち馬⑧番の売上は500万円です。

また、外れ馬券の売上は(150万円+80万円+・・・+10万)で、400万円となります。

的中馬券は1位のみ、つまり1種類しかありません。

単勝の払戻率は80%ですから、計算式は、

 

(500万円+400万円÷1)×80%=720万円

 

となり、払戻総額は720万円ということになります。

 

早い話が、単勝や馬連など的中数が1種類しか発生しない場合は、

 

『対象馬券の総売上×払戻率』

 

で計算すれば良いということです。

 

ちなみに、払戻総額の720万円を各馬券の売上で割ってやると、概算払戻率、つまりオッズになります。

例えば、⑧番の場合は売上500万円ですから、

 

720万÷500万=1.44≒1.4

 

となり、1.4倍がオッズです。

 

2.主催者発表の払戻金から自分の払戻金を計算する方法

主催者が発表する払戻は、オッズの表示ではなく払戻金額を表示しています。

http://next5.jra-van.jp/help/2_13_1.html

 

はじめて競馬をする人の中には、この表示に戸惑う人がいます。

馬券購入時には「1.3倍だな」と思って馬券を購入したのに、レース結果を見ると130円。

「何これ?」となるわけです。

場合によっては円の表示も省略されていて「130」とだけ表示されているケースもあります。

そういう時は「えっ、130倍なの?」と勘違いする人もいます。

自分の払戻金を計算する

JRAなどの主催者が発表する払戻金は、100円に対する払戻金です。

130円と表示されていた場合は、「100円の馬券を130円で払い戻しますよ」という意味です。

1000円買っているなら、100円の10倍ですから払戻金も10倍で1300円、10000円買っているなら13000円となります。

計算式にするなら、

 

『払戻金÷100×自分の購入金額=自分の払戻金』

 

となります。

 

払戻金の表示が100円を基準にしている理由

払戻金の表示が100円を基準にしている理由は、JRAの馬券の最小販売単位が100円と決まっているからです。

これは競馬法という法律で決まっていることで、馬券は1枚10円で10枚単位で販売することになっています。

ちなみに下の馬券は200円ですから馬券20枚ということになります。

真ん中の下側に20枚と記載されていますね。

https://www.jra.go.jp/kouza/beginner/baken/

 

3.「当てて損」にならないように払戻金や資金配分を計算する方法

払戻金の計算はレース確定後にだけするわけではありません。

馬券購入時には「この買い目を買ったら払戻がいくらで、こっちの買い目が来たら払戻はいくらになって、、、」と、想定払戻金を計算するはずです。

払戻金をいくらに設定するかで購入額が決まってきますし、逆に購入額を適当に決めて払戻金を想定していく方法もあります。

ここでは下の買い目を購入することを前提に、3パターンご紹介します。

 

項番 買い目 オッズ
1 1-2 7.0
2 1-4 8.0
3 1-5 14.0
4 1-7 11.0
5 1-10 27.0
6 1-13 160.0
7 2-4 28.0
8 2-7 14.0
9 2-10 36.0
10 10-13 450.0

 

均等買いをベースに決めるやり方

最初のうちはこのパターンで資金配分する人が多いですね。

買い目 オッズ 均等買い 想定払戻 購入額

調整

想定払戻
1-2 7.0 ¥1,000 ¥7,000 ¥1,500 ¥10,500
1-4 8.0 ¥1,000 ¥8,000 ¥1,500 ¥12,000
1-5 14.0 ¥1,000 ¥14,000 ¥1,000 ¥14,000
1-7 11.0 ¥1,000 ¥11,000 ¥1,000 ¥11,000
1-10 27.0 ¥1,000 ¥27,000 ¥1,000 ¥27,000
1-13 160.0 ¥1,000 ¥160,000 ¥500 ¥80,000
2-4 28.0 ¥1,000 ¥28,000 ¥1,000 ¥28,000
2-7 14.0 ¥1,000 ¥14,000 ¥1,000 ¥14,000
2-10 36.0 ¥1,000 ¥36,000 ¥1,000 ¥36,000
10-13 450.0 ¥1,000 ¥450,000 ¥500 ¥225,000

 

例えば、軍資金が10000円だとしたら、各買い目を均等に1000円ずつ買ったらどうかと考えます。

すると1-2(7倍)と1-4(8倍)は当たったとしても損になります。

そこで、オッズが高い1-13(160倍)と10-13(450倍)の購入額を1000円から500円に減らしてその分を1-2と1-4に割り振ります。

そうすればどの買い目が来ても収支は一応プラスです。

このようにして買い目ごとに納得できる払戻額になるよう購入額のバランスを変えていくのがオーソドックスなやり方です。

払戻金を適当に設定するやり方

こちらは逆に払戻金の方を先に設定するやり方です。

買い目 オッズ 目標

払戻額

購入額 購入額

四捨五入

想定払戻
1-2 7.0 ¥20,000 ¥2,857 ¥2,900 ¥20,300
1-4 8.0 ¥2,500 ¥2,500 ¥20,000
1-5 14.0 ¥1,429 ¥1,400 ¥19,600
1-7 11.0 ¥1,818 ¥1,800 ¥19,800
1-10 27.0 ¥741 ¥700 ¥18,900
1-13 160.0 ¥125 ¥100 ¥16,000
2-4 28.0 ¥714 ¥700 ¥19,600
2-7 14.0 ¥1,429 ¥1,400 ¥19,600
2-10 36.0 ¥556 ¥600 ¥21,600
10-13 450.0 ¥44 ¥100 ¥45,000
¥12,212 ¥12,200

 

払戻額を適当に2万円に設定して計算しました。

各買い目の購入額は

『20000円÷オッズ』

で計算し、出てきた購入額を100円単位にするために四捨五入します。

ここからさらに購入額を調整していくのももちろんOKです。

このやり方の場合、購入額の縛りがないので目標払戻額が高いと購入額も必然的に高くなります。

 

合成オッズを使って払戻金を計算する

このやり方は「まず予算を決めて払戻金額が大体同じになるように資金配分したい」という場合に便利なやり方です。

目標払戻金は合成オッズを使って計算するのでまずは合成オッズを計算します。

(合成オッズ計算手順)

 ① 各買い目について「1÷オッズ」を計算する

 ② ①を合計する

 ③ 1÷②=合成オッズ

 

買い目 オッズ

1÷オッズ

①の合計

1÷②

1-2 7 0.143 0.62 1.61
1-4 8 0.125
1-5 14 0.071
1-7 10 0.1
1-10 27 0.037
1-13 160 0.006
2-4 28 0.036
2-7 14 0.071
2-10 36 0.028
10-13 450 0.002

 

今回の場合、合成オッズは1.61です。

この1.61と軍資金をかけ合わせたものが目標払戻金になります。

軍資金が1万円だとすると、

10000×1.61=16100円

となり、16100円が目標とする払戻金になります。

買い目 オッズ 合成

オッズ

目標

払戻金

購入

金額

購入金額

調整

想定

払戻額

1-2 7 1.61 16100円

軍資金
1万円
の場合

¥2,300 ¥2,300 ¥16,100
1-4 8 ¥2,013 ¥2,000 ¥16,000
1-5 14 ¥1,150 ¥1,200 ¥16,800
1-7 10 ¥1,610 ¥1,600 ¥16,000
1-10 27 ¥596 ¥600 ¥16,200
1-13 160 ¥101 ¥100 ¥16,000
2-4 28 ¥575 ¥600 ¥16,800
2-7 14 ¥1,150 ¥1,200 ¥16,800
2-10 36 ¥447 ¥500 ¥18,000
10-13 450 ¥36 ¥100 ¥45,000
¥9,977 ¥10,200

 

目標払戻金をオッズで割ってやれば各買い目の購入金額が計算できます。

算出された購入金額は1円単位ですから、馬券購入単位である100円単位になるよう調整します。

基本は四捨五入、10-13のように最初から100円未満の買い目は切り上げて100円にします。

四捨五入することで目標払戻金から大きくずれる場合も資金が許す範囲内で微調整します。

 

面倒なのでサイトやアプリに頼る

以上、資金配分の方法について3パターンほどご紹介しましたが、実際の購入時に買い目ごとにオッズや払戻金を考慮して資金配分するのはなかなか厳しいものがあります。

そこで頼りになるのが合成オッズの計算サイトや競馬アプリで、合成オッズも資金配分も自動で計算してくれます。

 

  • netkeiba.com
    https://www.netkeiba.com/
    競馬の総合情報サイトです。パソコンからであれば資金配分機能を利用した馬券購入が可能です。
  • 合成オッズ計算
    https://blatank.github.io/SysntheticOddsCalc/index.html
    オッズを入力するだけで合成オッズを計算してくれます。資金も入力すれば資金配分計算もしてくれます。ホームページなのでインストールの必要がありません。
  • JRA-VAN
    馬券購入も可能な競馬アプリです。資金配分を計算する機能がついています。
  • pakara
    こちらも馬券購入可能な競馬アプリです。買い目タブからは合成オッズを確認できます。

 

4.払戻金に関するもう一つの計算

競馬の払戻金に関しては、もう一つ大事な計算があります。

税金の計算です。

競馬の払戻金は、自動売買などで継続的かつ大量に購入している場合を除き、一時所得とみなされ、税金が発生します。

課税対象額の計算式は以下の通りです。

 

(計算式)

『(年間受取額ー年間投票額ー50万円)×1/2=課税対象額』

 

  • 年間受取額とは払戻金の年間総額です。
  • 年間投票額とは、的中馬券の購入額です。外れ馬券の購入費用は含みません。
  • 50万円は控除の金額です。
  • 儲けから50万円を差し引いた額の半分に課税するということです。
  • 税率は給料など他の所得もすべて合算してから決まります。

 

50万円の控除があるので、年間収支が50万円を超えない限りは心配ありませんが、3連単などで50万円を超える高額払戻を受けた場合は注意が必要です。

今後、ネット投票の拡大でお金の動きが捕捉されやすくなっていくと考えられます。

一発ドカンと当てた場合は税務署へ相談に行きましょう。

 

まとめ

以上、払戻金にまつわる4種類の計算についてご紹介しました。

JRAの払戻額を計算するのはそれほど難しいことではありませんが、合成オッズや所得税の絡みとなるとややこしくなってきます。

特に税金は知らず知らずのうちに課税対象になっているケースも十分ありえます。

競馬の払戻金はシビアに管理していくことが重要です。

 

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